日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
特殊な進展形式を呈した下行結腸癌と悪性リンパ腫衝突腫瘍の1例
豊福 篤志伊波 悠吾是枝 侑希吉田 昂平日暮 愛一郎笹栗 毅和永田 直幹
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 82 巻 3 号 p. 595-603

詳細
抄録

症例は85歳,女性.2019年10月,左顎下のリンパ節腫大を主訴とし,精査目的で当院形成外科に紹介受診.切除生検による病理診断の結果,悪性リンパ腫の診断となった.また,入院時に貧血を指摘され,精査の結果,同時性下行結腸癌の疑いの診断となり,後者の手術目的で総合外科へ紹介.11月,腹腔鏡下左半結腸切除術+D3リンパ節郭清術を施行した.切除標本の病理診断の結果,病変は中分化型管状腺癌(深達度T3)と漿膜下層の悪性リンパ腫の衝突腫瘍を形成しており,非常に稀なことに悪性リンパ腫の一部は腺癌を取り囲むような伸展形式を呈していた.郭清した所属リンパ節には腺癌の転移は認められなかったが,悪性リンパ腫細胞の増生を伴っていた.術後,悪性リンパ腫に対して全身化学療法を施行し,完全寛解となったが,5月に中枢病変が出現.緩和的放射線治療を施行し,2020年8月の時点で中枢神経症状も安定している.

著者関連情報
© 2021 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top