2021 年 82 巻 3 号 p. 591-594
結腸巨大憩室症は稀な疾患であり,その中でも真性憩室の割合は少ない.今回,腹腔鏡下に切除した結腸巨大真性憩室症の1例を経験したので報告する.
症例は62歳,男性.右腹部痛を主訴に近医を受診し,腹部腫瘤を指摘された.精査加療目的に当院に紹介となり,腹部CTで上行結腸腹側に接する5cm大の腫瘤を認めた.腸管との連続性が疑われ,内部には糞便と思われる石灰化を伴っていた.下部消化管内視鏡所見では上行結腸に巨大憩室を認めた他に,小憩室を多数認めた.以上より,上行結腸巨大憩室症と診断し,待機的に腹腔鏡補助下結腸右半切除術を施行した.巨大憩室周囲は癒着が高度で炎症によるものと思われた.病理組織学的検査では筋層を有する憩室壁が確認され,真性憩室と診断された.細菌感染を伴っていたが,悪性所見は認めなかった.