2021 年 82 巻 3 号 p. 658-662
症例は55歳,女性.約2年前にメルセデス切開で開腹手術を受けた.半年後正中に径5cmの腹壁瘢痕ヘルニアを認め,無症状のため経過観察していたが,その後半年で径7cmと拡大を認め,腹部膨満感と排便困難が出現したため手術を施行した.正中切開で開腹し,transversus abdominis muscle release を伴うposterior (後方) component separation法とheavyweightメッシュのsublay留置による腹壁瘢痕ヘルニア修復術を施行した.術後経過は良好で第7病日に退院した.Posterior component separation法は,筋膜切開が交差しており,複雑な腹壁瘢痕ヘルニアであるメルセデス切開後の腹壁瘢痕ヘルニアに対して有用な術式と考えられた.