日本臨床外科学会雑誌
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症例
CA19-9産生胃癌・直腸癌の同時性重複癌の1例
満吉 将大土井 雄喜神原 健渡邉 哲也森木 康之浜田 史洋
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キーワード: CA19-9産生胃癌, 直腸癌
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2021 年 82 巻 4 号 p. 723-731

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抄録

症例は72歳,男性.心窩部痛を主訴に当院内科を受診.CTで上腹部に軽度free airを認めたが,心窩部痛は改善傾向であったため保存的加療となった.その後CTでfree airは消失し,上部消化管内視鏡検査で胃前庭部に2型病変を認め,生検にて腺癌と診断,胃癌穿孔がfree airの原因と考えられた.また,下部消化管内視鏡検査では直腸Rbに2型病変を認め,生検にて腺癌と診断した.術前血清CA19-9値は5,525U/mlと高値であった.胃癌穿孔,直腸癌と診断し,開腹幽門側胃切除+肝部分切除+直腸低位前方切除術を施行した.術後血清CA19-9値は488U/mlと低下し,胃癌のCA19-9染色所見では癌細胞と近傍間質を中心として強陽性を示すstromal typeであったことから,CA19-9産生胃癌と診断した.また,直腸癌でのCA19-9染色は弱陽性であった.

CA19-9産生胃癌の報告例は本症例を含め45例であるが,CA19-9産生胃癌と直腸癌の同時性重複癌の報告はなく,若干の文献的考察を加え報告する.

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