2021 年 82 巻 5 号 p. 950-954
症例は75歳,男性.黄疸を主訴に近医を受診し,精査加療目的に当院紹介となった.造影CTにて膵頭部に22mm大の腫瘤と,胆管内への隆起性進展を認めた.内視鏡的逆行性胆道膵管造影で下部胆管の不整狭窄,上部胆管の拡張を認めた.下部胆管癌の診断で亜全胃温存膵頭十二指腸切除を施行した.病理組織学的所見でsmall cell neuroendocrine carcinomaと診断した.術後経過は良好で,術後27日に退院となった.Cisplatin+irinotecanによる術後化学療法を5コース施行し,術後12カ月現在無再発生存中である.胆管原発のneuroendocrine carcinoma(NEC)は極めて稀であり,予後は極めて不良である.WHO2017/2019年版によりNECの分類が変わり,今後も集学的治療の検討が必要であるため,若干の文学的考察を加えて報告する.