日本臨床外科学会雑誌
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症例
直腸印環細胞癌に隣接した肛門管神経内分泌細胞癌の1例
山口 貴之服部 正興溝口 良順青野 景也平田 明裕野尻 基吉原 基
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2021 年 82 巻 5 号 p. 943-949

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抄録

神経内分泌細胞癌は極めて予後不良な疾患である.今回われわれは,直腸印環細胞癌に隣接した肛門管神経内分泌細胞癌の1例を経験したので報告する.症例は73歳の男性.排便時出血と肛門痛を主訴に受診した.下部内視鏡検査では直腸Rbに陥凹性病変および肛門管に腫瘤を認めた.CTで左鼠径部にリンパ節転移を認め,左鼠径リンパ節転移を伴う肛門管癌と診断し,腹会陰式直腸切断術,両側側方郭清,左鼠径リンパ節郭清術を施行した.病理所見は直腸癌では印環細胞がみられ,壁全層・外膜まで浸潤していた.肛門管癌では異型細胞が充実蜂巣性状に増生し,外膜まで浸潤していた.免疫染色でSynaptophysinおよびChromogranin染色陽性で神経内分泌癌と診断した.直腸癌と肛門管癌は隣接しており,郭清したリンパ節のほとんどに直腸印環細胞癌の転移を認めた.術後早期に再発をきたし化学療法を施行し,術後2年2カ月で原病死した.

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