日本臨床外科学会雑誌
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症例
胸腔ドレナージ後に発症し外科治療を行った胸囲結核の2例
鈴村 雄治北村 将司
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2021 年 82 巻 6 号 p. 1089-1097

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抄録

結核性胸膜炎に対する胸腔ドレナージ後にドレーン挿入部に発症した胸囲結核に対し,全身麻酔下に胸壁膿瘍切除と筋肉充填術を施行し良好に経過した2症例を経験した.症例1は83歳,男性.呼吸困難を主訴に受診.右胸水と右肺上葉多発粒状影を認め,右胸腔ドレナージを施行した.喀痰のTB-PCR陽性で抗結核薬治療を開始した.3カ月後より胸腔ドレーン抜去部から排膿を認め,軽快しないため胸壁膿瘍切除と前鋸筋充填術を施行した.症例2は65歳,男性.呼吸困難を主訴に受診.左胸水と左胸壁膿瘍および右肺上葉に陰影を認めた.左胸腔ドレナージと左胸壁膿瘍の穿刺を施行し,胸壁膿瘍内容のTB-PCR陽性で抗結核薬治療を開始した.2カ月後より胸腔ドレーン抜去部から排膿を認め,軽快しないため胸壁膿瘍切除と広背筋充填術を施行した.内服治療中に発症した皮膚瘻を伴う胸囲結核に対しては,外科治療は考慮されるべき治療法の一つと考えられた.

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