2021 年 82 巻 6 号 p. 1115-1119
症例は73歳,男性.黒色便の精査目的に入院した.上下部内視鏡検査,造影CTにて出血源を認めず,小腸カプセル内視鏡が施行された.空腸に多数の青紫色を呈する粘膜下腫瘍を認め,活動性の出血を伴っていた.小腸内視鏡では,十二指腸水平脚より多数の粘膜下腫瘍を認めたが,出血部位の同定には至らなかった.精査中にも下血が持続していたため,準緊急的に手術とした.十二指腸水平脚から空腸約2mに渡り無数の静脈奇形が漿膜面から確認できた.出血部位は同定できなかったため,肉眼的に病変を認めた小腸をすべて切除した.皮膚病変は認めなかったが,組織診断にて静脈奇形が証明され,口腔から結腸まで多数の静脈奇形を認めたことから青色ゴムまり様母斑症候群(blue rubber bleb nevus syndrome:BRBNS)と診断した.皮膚病変のないBRBNSは非常に稀であるが,小腸出血の原因疾患の一つとして認識すべきであり,内視鏡的止血困難であれば腸管切除をためらうべきではない.