2021 年 82 巻 6 号 p. 1120-1125
症例は78歳,女性.腸閉塞症状を主訴に他院を受診し,精査加療目的にて当院に紹介された.腹部造影CTにて,空腸に淡く造影される壁肥厚像があり,その近傍に腫大した腸間膜リンパ節を指摘された.さらに,透視併用下による上部消化管内視鏡検査で,Treitz靱帯から約30cm肛門側空腸に全周性の潰瘍性病変を認めた.生検検体の病理組織学的検査の結果から,空腸原発のT細胞性リンパ腫と診断された.腸閉塞症状が著明であり,まず腹腔鏡下空腸部分切除術で原発巣を切除した.術後は経過良好であり,他院血液内科に転院後,直ちにT細胞性リンパ腫に対する全身化学療法を施行した.術前診断しえた腸管症型T細胞リンパ腫に対して,腹腔鏡手術を行った症例を経験したので報告する.