日本臨床外科学会雑誌
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症例
皮膚転移および筋転移にて再発した膵癌の1例
安部 紘生永生 高広緒方 衝辻本 広紀上野 秀樹岸 庸二
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キーワード: 膵癌, 皮膚転移, 筋転移
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2021 年 82 巻 6 号 p. 1200-1205

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抄録

49歳,女性.膵頭部癌の診断で亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行.術後補助化学療法としてgemcitabine (GEM)投与を7サイクル実施.術後3年5カ月,左胸壁に疼痛を伴う30mm大の腫瘤が出現しFDG-PET/CTを施行したところ,右上腕皮下,右臀部・大腿皮下,左前腕筋肉内,左大腿筋肉内,左胸壁,左脊柱背側筋群内にFDGの集積を認め,膵癌皮膚転移および筋転移を疑われた.胸壁病変の切除生検の結果,膵癌の皮膚転移・筋転移と確定診断した.再度GEM単剤で治療を再開し,一時的に皮膚転移および筋転移の病巣は縮小傾向を認めていたが,8サイクル終了後骨転移,リンパ節転移を含む多発病変が顕在化した.その後,化学療法は中止し,術後4年10カ月,初回再発を認めてから1年8カ月で原病死した.膵癌筋転移の本邦報告例は5例のみであり,さらに両者の合併例は2例のみと非常に稀である.過去の報告例では再発後の予後が概ね半年程度であったが,本症例は化学療法を行い1年以上の生存を得た貴重な症例であった.

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