日本臨床外科学会雑誌
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症例
肝合併切除および下大静脈合併切除・腫瘍栓摘出を行った右副腎皮質癌の1例
木戸口 勇気前田 一也宮永 太門服部 昌和道傳 研司
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2021 年 82 巻 6 号 p. 1218-1223

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抄録

副腎皮質癌は極めて稀な疾患であり,その発生頻度は100万に0.9~2.9人の発生率とされている.診断時には,既に肝や下大静脈に浸潤している症例もあるが,完全切除による長期生存例も報告されている.今回,肝合併切除,部分体外循環下でのIVC切除および再建術を行い,完全切除した1例を経験したので報告する.

症例は58歳の男性で,右側腹部痛を主訴に近医を受診した.精査の結果,右副腎癌の肝浸潤,下大静脈内腫瘍栓 cT4N0M0 stage IIIと診断した.右副腎摘出,肝S6亜区域切除術,胆嚢摘出,IVC切除および再建術を行った.術後経過は良好で,術後13日目に退院となった.術後の病理組織診断で下大静脈への浸潤を伴う副腎癌と診断された.肝への直接浸潤は認めなかったが,術前検査では肝の合併切除は避けられなかったと考える.今回われわれは,肝合併切除および部分体外循環下に下大静脈合併切除・腫瘍栓摘出・再建を行った右副腎皮質癌の1例を経験したので報告する.

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