2021 年 82 巻 6 号 p. 1211-1217
症例は68歳の男性で,約1年前の検診の腹部超音波検査で脾臓に15mm大の腫瘍性病変を認め,以後経過観察となっていた.経過観察の腹部CTで21mmと腫瘍の増大を認めたため,悪性疾患も否定できず,また患者の希望もあり手術の方針となり,腹腔鏡下脾臓摘出術を施行した.病理組織学的検査でsclerosing angiomatoid nodular transformation (SANT)と診断された.SANTは脾臓に特異的な病変で,稀な疾患である.悪性腫瘍との鑑別を要し,脾臓の腫瘍性病変を認めた場合,本疾患を念頭に置いた診療が重要であると考えられた.