2021 年 82 巻 6 号 p. 1224-1227
症例は79歳,女性.66歳時に子宮類内膜腺癌に対して手術,化学療法を行い,10年間のフォローで再発徴候を認めなかった.術後13年目に腹痛を主訴に近医を受診し,右下腹部腫瘤,炎症反応高値,腫瘍マーカー上昇を指摘され紹介となった.腹壁瘢痕ヘルニアの脇に発赤,圧痛を伴う腫瘤を触れ,CTで腹壁内に炎症所見を伴う75mm大の腫瘤を認めた.抗菌薬投与で腫瘤はやや縮小したが消失には至らなかった,経皮的生検を行うと子宮類内膜腺癌の再発が疑われ,他に転移を認めなかったため切除の方針とした.腹壁内の60mm大の腫瘍を切除し,病理で子宮類内膜腺癌の転移と診断された.子宮類内膜腺癌術後晩期の腹壁転移再発は稀であり,若干の文献的考察を加えて報告する.