2021 年 82 巻 7 号 p. 1297-1302
腋窩腫瘤で発見され,診断困難であった浸潤性乳癌を経験したので報告する.症例は60歳の女性.自壊した腋窩腫瘤を主訴に皮膚科を受診し,腫瘤の一部を生検された.病理組織はcarcinomaで皮脂腺または汗腺由来の悪性腫瘍を考えるが,異所性乳癌の可能性もあるとの診断であった.エストロゲン受容体陽性であり乳癌が考えられたため,自壊した腋窩腫瘤の局所コントロールと確定診断の目的で局所腫瘤切除+センチネルリンパ節生検を施行し,迅速病理診断で腋窩リンパ節転移を認め,腋窩郭清を追加した.永久病理組織診断は,浸潤径2.5cmの浸潤性微小乳頭癌であった.切除断端は陰性,腋窩リンパ節は3個に転移が認められたため,術後化学療法施行後,乳房,腋窩および鎖骨上を含めた術後照射を行った.腋窩部皮下に局在し,診断に苦慮した浸潤性微小乳頭癌の1例を経験した.