2021 年 82 巻 7 号 p. 1310-1314
肺癌の小腸転移と鑑別を要した乳癌晩期再発の1例を経験した.症例は69歳,女性.24年前に左乳癌に対して手術が施行され,術後内分泌療法が施行された.その後,フォローは終了となったが1年前に左肺腺癌Stage IVと診断され,化学放射線療法が施行されていた.下腹部痛を主訴に当院を受診し,CTで小腸腫瘍に伴う小腸の腸重積症と診断された.腹腔鏡補助下小腸部分切除術が施行された.摘出した小腸腫瘍を24年前の乳癌の病理と比較したところ,類似する病理組織所見を認め,乳癌の晩期再発と診断された.乳癌の手術歴がある転移性小腸腫瘍と遭遇した場合,乳癌の晩期再発も鑑別に挙げる必要がある.