日本臨床外科学会雑誌
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症例
脳梗塞で発症した肺動静脈瘻の1例
牧野 晃大小林 亮北 雄介久力 権
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2021 年 82 巻 7 号 p. 1315-1320

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抄録

症例は58歳,女性.失語症と右上肢麻痺で当院へ救急搬送となり,精査で左中大脳動脈塞栓症と診断され,血栓回収療法を施行された.特記すべき既往歴はなかった.頭部MRIで脳主幹動脈の狭窄はなく,経食道エコー検査で卵円孔開存なども認めなかった.胸部CTで左肺下葉に肺動静脈瘻を指摘され,Rendu-Osler-Weber病を伴わない右左シャントによる,比較的稀な奇異性脳塞栓症と考えられた.治療は経皮的カテーテル塞栓術が第一選択とされることが多いが,本症例は病変が肺末梢に位置しており,流出血管も比較的太く,安全性や根治性の面から,胸腔鏡下肺部分切除術を選択した.全身状態などから手術が許容される場合には,肺末梢の単発の肺動静脈瘻に対しては,胸腔鏡下肺部分切除術は有用な治療法と考えられたため,文献的考察を加えて報告する.

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© 2021 日本臨床外科学会
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