2021 年 82 巻 7 号 p. 1376-1380
Malignant rhabdoid tumor(以下MRT)は幼児期に発生する予後不良な腎原発腫瘍であるが,まれに消化管に原発する腺癌の一部分像として認められることがある.われわれは,横行結腸原発のMRTを経験したので報告する.症例は87歳の男性.腹満感を主訴に近医を受診し,便潜血陽性となった.大腸内視鏡検査で横行結腸肝彎曲部に全周性の腫瘍性病変を認め,生検で低分化腺癌の診断であった.腹部CTでは近傍のリンパ節腫大を認めた.横行結腸癌の診断で横行結腸部分切除術を施行した.組織的には,大型類円形核が偏在する未分化なrhabdoid cell(AE1/3,Vimentin共に陽性)が優位に認められ,病理診断はundifferentiated carcinoma with rhabdoid feature,Type2,8.5×6.6cm,SS,Ly1a,V1cであった.Rhabdoid fetureを呈する癌は非常に予後不良とされ,自験例においても急速に全身状態が悪化し,術後40日目に死亡した.