日本臨床外科学会雑誌
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症例
メトトレキサート内服中に発症した乳腺原発悪性リンパ腫の1例
藤原 玄橋本 瑞生水谷 哲之臼井 弘明西村 元伸坂口 憲史
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2021 年 82 巻 9 号 p. 1643-1647

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抄録

症例は70歳,女性.半年前から関節リウマチ(RA)に対してメトトレキサート(MTX)を内服しており,受診数日前より右乳房の腫瘤を自覚し当科を受診した.右D領域に手拳大の腫瘤を触知し,無痛性で可動性は良好であった.腋窩リンパ節を触知した.MMGにて右乳腺に高濃度腫瘤を,乳腺エコーにて右CD領域に39×41×33mm大のhalloを伴う不整形低エコー腫瘤を認めた.針生検を行い,浸潤性乳管癌・硬癌と診断した.遠隔転移は認めず,右乳癌(cT2N1M0 Stage IIB)と診断し,右乳房全摘および腋窩郭清(Level I+II)を施行した.術後問題なく経過し,術後7日目に退院となった.摘出検体の病理組織検査で異型リンパ球のびまん性浸潤を認め,免疫染色にてCD20が陽性,GATA3が陰性のびまん性大細胞型リンパ腫(DLBCL)と診断した.EBERは陰性であったため,EBウイルスの感染は否定的だった.現在,他院の血液内科にて治療中である.今回RAに対してMTX内服中に急速に増大した乳腺原発悪性リンパ腫の1例を経験したため,文献的考察を踏まえて報告する.

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