2021 年 82 巻 9 号 p. 1673-1678
胃瘻は管理面や栄養吸収面で利点が大きく,療養施設で受け入れやすい傾向にある.胃瘻造設症例は増加傾向にある一方で,食道裂孔ヘルニア併存例では他の経腸栄養を選択されることが多い.今回われわれは,腹腔鏡下に食道裂孔ヘルニアを修復し,PEGを施行した2症例を経験したのでその利点について報告する.
症例1:79歳,女性.認知症と脳梗塞による嚥下機能障害でNGチューブから経腸栄養していた.長期栄養投与を要するため,腹腔鏡下に食道裂孔ヘルニア(Type II)を修復し,PEGを施行した.
症例2:87歳,女性.認知症と高齢による嚥下機能障害を認めていた.誤嚥性肺炎を繰り返すため,腹腔鏡下に食道裂孔ヘルニア(Type IV)を修復し,PEGを施行した.
2症例とも誤嚥性肺炎や栄養状態の悪化を認めず退院した.
食道裂孔ヘルニア併存例であっても腹腔鏡下に食道裂孔ヘルニアを修復し,PEGを施行することは治療の選択肢になる可能性がある.