2022 年 83 巻 1 号 p. 103-106
症例は52歳,男性.特記すべき既往歴や家族歴はなかった.突然の下腹部痛を主訴に当院へ救急搬送された.造影CTで,上腹部に血腫を伴う腫瘤と造影剤の血管外漏出像を認め,腸間膜出血の疑いで緊急開腹止血術を施行.血腫除去後,出血源は不明であったが,血管攣縮解除および昇圧にて中結腸動脈分枝からの出血を同定した.腸管虚血所見を認めなかったため,腸切除せず同部位の結紮止血にて手術終了.術後10病日に経過良好で退院し,術後9カ月再発なく経過している.特発性腸間膜血腫は稀な症例であり,若干の文献的考察を加えて報告する.