日本臨床外科学会雑誌
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症例
腹腔鏡下回盲部切除術を行った黄色肉芽腫性虫垂炎の1例
村瀬 秀明大野 玲鈴木 悠太林 久美子吉野内 聡小畑 満
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2022 年 83 巻 1 号 p. 98-102

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抄録

症例は64歳,男性.1週間前からの右下腹部痛を主訴に当科を受診した.右下腹部に圧痛を伴う腫瘤を触知した.血液検査所見ではWBCは6,600/μLと正常範囲であったが,CRPは1.86mg/dLと軽度上昇を認めた.腫瘍マーカーはCEA 2.8ng/ml,CA19-9 4.2U/mlと正常範囲であった.造影CTにて虫垂根部付近に20mm大の濃染結節を認め,近傍に膿瘍形成を伴っていたため,精査加療目的に入院した.下部消化管内視鏡検査にて虫垂開口部に発赤調の隆起性病変を認め,内腔より黄白色の粘液漏出を認めた.同部の生検はGroup1であったが,虫垂癌の可能性を否定しきれず,腹腔鏡下回盲部切除術(D3郭清)を施行した.切除標本では虫垂根部付近に硬結を触知し,虫垂間膜内に膿瘍形成を認めた.硬結部の割面は黄白色調であった.病理組織学的検査では腫瘍性病変は認めず,黄色肉芽腫性虫垂炎と診断した.

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