2022 年 83 巻 1 号 p. 112-116
S状結腸間膜窩ヘルニアは稀な内ヘルニアの一つであり,今回われわれは術前にS状結腸間膜ヘルニアと診断し,腹腔鏡下に根治術を施行した.
症例は54歳,女性.突然の下腹部痛を主訴に当院を受診した.既往に右卵巣核出術,左卵巣嚢腫摘出術があった.腹部造影CTで小腸の拡張と内腔の液体貯留,S状結腸間膜の背側に嵌頓したclosed loopの形成を認め,癒着性腸閉塞ではなく,S状結腸間膜ヘルニアを疑い,緊急手術を施行した.S状結腸間膜窩ヘルニアの所見であり,解放した嵌頓小腸に明らかな血流障害がないことを確認し,ヘルニア門を縫合閉鎖した.