日本臨床外科学会雑誌
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原著
微小浸潤性乳癌の予後と臨床病理学的検討
貴志 美紀堀井 理絵照屋 なつき上野 貴之大野 真司
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2022 年 83 巻 1 号 p. 12-18

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抄録

微小浸潤性乳癌の予後を明らかにすることを目的に検討を行った.2007年に当院で手術が施行された原発性片側性乳癌901例のうち,病理学的浸潤径が5mm以下と確定できた233例を対象に後方視的に追跡し,臨床病理学的因子と予後を比較検討した.233例中,pTis群(非浸潤癌)は134例(57.5%),pT1mi群(微小浸潤癌)は33例(14.2%),pT1a群(浸潤径が1mmを超えるが5mm以下)は66例(28.3%)であった.pT1mi群はpT1a群に比べてリンパ節転移陽性例が有意に少なかった(p<0.01).観察期間中央値は87(12-140)カ月で,遠隔再発をきたした症例はpT1mi群の1例のみであった.この症例は術後薬物療法未施行で,1mm以下の浸潤巣が近接して多発していた.浸潤巣を含む病理ブロックの深切り検査を追加したところ,1mmを超える浸潤巣が確認され,通常の検索では現れなかった浸潤巣が出現した.乳癌死をきたした症例はいなかった.今回の検討では,3群ともに予後良好で浸潤径による疾患特異的生存率に差はみられなかった.

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