日本臨床外科学会雑誌
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症例
術前診断し切除した胃癌異時性孤立性S状結腸転移の1例
木下 新作浅野 栄介近藤 彰宏隈元 謙介岡野 圭一鈴木 康之
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キーワード: 胃癌, 大腸転移, 切除
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2022 年 83 巻 1 号 p. 80-85

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抄録

症例は57歳,女性.4年前に当院において,胃癌に対して胃全摘術(D2)を施行された.病理診断は,por2>muc>sig>>tub2>tub1,T4a(SE),ly3,v2,N3b,H0,P0,CY0,M0,pStage III Cであった.今回,他院で施行された便潜血反応が陽性であったため,精査目的に当院へ紹介となった.下部消化管内視鏡検査でS状結腸に狭窄病変を認め,生検で低分化型腺癌の診断であった.前回手術の胃癌と類似した組織像を呈していたため,胃癌の転移の可能性が示唆された.他に遠隔転移や腹膜播種を認めず治癒切除可能と判断し,S状結腸切除術を施行した.病理組織診断の結果,胃癌組織と同様の所見を呈していた.さらに,免疫組織学的染色でCK7(+),MUC5AC(+),MUC6(+),MUC2(-),CK20(-),CDX2(-)で大腸原発としては典型的でなかったため,胃癌の大腸転移の診断となった.胃癌の転移性大腸癌の診断には難渋することもあるが,免疫組織学的染色により診断可能であり,若干の文献的考察を加えて報告する.

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