日本臨床外科学会雑誌
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症例
内視鏡的胆嚢ステント留置後に胆嚢癌を疑われた黄色肉芽腫性胆嚢炎の1例
加藤 萌子増田 稔郎神尾 多喜浩髙森 啓史
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2022 年 83 巻 10 号 p. 1800-1804

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抄録

急性胆嚢炎に対する内視鏡的胆嚢ステント長期間留置後,胆嚢癌を疑われた1切除例を経験した.

症例は68歳,男性.腹痛を主訴に当院を受診した.急性胆嚢炎の診断で,内視鏡的胆嚢ドレナージ(endoscopic transpapillary gallbladder drainage;以下,ETGBDと略記)を行った.待機的胆嚢摘出術を予定したが,受診なく長期間ステント留置状態であった.8カ月後,腹痛を主訴に近医を受診し,偶発的に胃癌を指摘され当院に紹介された.CTでは胆嚢に約6mmの限局性壁肥厚を認め,胆嚢癌が疑われた.開腹胃全摘術および胆嚢全層切除術を実施した.胆嚢の術後病理診断は黄色肉芽腫性胆嚢炎であった.

急性胆嚢炎に対するETGBDは,体外へのチューブ留置がないことから症状改善後に受診が滞るリスクがあり,ETGBDチューブの長期留置によって胆嚢の慢性炎症をきたす可能性がある.炎症改善後にETGBDチューブ抜去が必要であること,胆嚢摘出が望ましいことについて十分な患者指導を行うことが肝要である.

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