日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
切除範囲に苦慮した小腸lipomatosisの1例
相川 佳子松田 聡尾田 典隆野中 雅彦
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 83 巻 2 号 p. 340-344

詳細
抄録

52歳,女性.2013年9月,腹痛・嘔吐を主訴に近医を受診.イレウスの疑いで当院を紹介受診となった.CTの結果,小腸に多発する脂肪腫を認め,回盲部に脂肪腫を先進とする重積を認めた.精査の結果,小腸lipomatosisの診断となった.

小腸脂肪腫の中でも特に脂肪腫が多発する状態を小腸lipomatosisといい,比較的稀な疾患である.小腸lipomatosisに対する手術療法については,部分切除・局所切除・回盲部切除などの報告がある.自験例では,術前の小腸内視鏡検査で確認した今回の原因病変である回腸末端部と,さらに口側の脂肪腫が集簇する部位の2箇所を腹腔鏡補助下に切除した.残存脂肪腫による再重積の問題と,腸切除による短腸症候群のリスクを鑑み,過不足ない切除範囲の決定に苦慮した.2021年現在,残存脂肪腫を認めるが,イレウスの再燃は認めていない.

著者関連情報
© 2022 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top