日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
上行結腸癌の術中に胆嚢壁の結節として発見された副肝の1例
藤村 知賢足立 陽子大山 隆史有澤 淑人掛札 敏裕杜 ぶん林
著者情報
キーワード: 副肝, 異所性肝, 胆嚢
ジャーナル フリー

2022 年 83 巻 2 号 p. 390-394

詳細
抄録

今回,われわれは上行結腸癌の術前検査で発見し,肝門部のリンパ節との鑑別が困難であった副肝の症例を経験した.症例は73歳の女性で,上行結腸癌(T1bN0)に対し手術予定であった.術前に施行した腹部造影CTで,肝門部に造影効果を伴う9mm大の結節影を認め,肝門部のリンパ節転移も否定できなかった.上行結腸癌に対し腹腔鏡補助下右半結腸切除術を予定し,術中所見で肝門部のリンパ節転移を疑う場合は,リンパ節の術中迅速病理診断を提出する方針とした.手術所見では,胆嚢体部漿膜面に付着する,褐色で10mm大の結節を認めた.肝実質との連続性は認めず,肝内側区域,胆嚢と脈管で交通しており,副肝と診断し切除した.病理組織検査では肝実質と矛盾しない所見であり,悪性所見などの異常所見は認めなかった.副肝は本邦では約100例程度の報告に留まる稀な疾患である.本邦におけるこれまでの報告例と合わせ,若干の文献的考察を加え報告する.

著者関連情報
© 2022 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top