日本臨床外科学会雑誌
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症例
肝内側区域切除を行ったmulticystic biliary hamartomaの1例
黒木 直美田中 智章菅瀬 隆信谷口 正次後藤 崇古賀 倫太郎木脇 拓道田中 弘之
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2022 年 83 巻 2 号 p. 395-401

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抄録

Multicystic biliary hamartoma (以下MCBH)は,小嚢胞が集簇する多房性嚢胞性の胆管過誤腫である.今回,MCBHに対して内側区域切除を施行した症例を経験したので報告する.症例は36歳,男性.急性腸炎時に単純CTで偶然発見された肝腫瘤で当院へ紹介となった.造影CTでは,肝S4に数mmから17mmまでの嚢胞が集簇した45×35mm大の多房性嚢胞性腫瘤を認めた.MRIでは,その多房性嚢胞性腫瘤はT1強調画像で低信号,T2強調画像で高信号を呈した.CEA 1.4ng/ml,CA19-9 4.0U/mlと腫瘍マーカーは正常値であった.Intraductal papillary neoplasm of the bile ductの可能性を否定できず,手術適応と判断して肝内側区域切除を施行した.病理検査所見では,嚢胞壁は核異型のない単層円柱上皮で覆われていた.嚢胞の周囲には,胆管周囲付属腺や血管を含んだ線維性結合織がみられ,嚢胞内腔には胆汁様の内容液貯留がみられた.最終診断はMCBHであった.術後合併症なく,術後8日目に退院となった.術後3年10カ月現在,無再発生存中である.

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