日本臨床外科学会雑誌
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症例
急速増大例を含む乳腺偽血管腫様過形成の2例
小林 稔弘坂根 純奈平松 昌子川口 佳奈子恒松 一郎
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2022 年 83 巻 3 号 p. 473-478

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抄録

乳腺偽血管腫様過形成(PASH)は血管様間隙を伴う間質増殖主体の良性腫瘍である.急速増大例を含む2例を経験したので報告する.症例1:39歳,女性.他院で2cmの乳腺腫瘤を指摘された.2年後には3cmだったが,その1カ月後に10.5cmと急速増大した.針生検はfibrosisだったが増大傾向もあり,摘出術を行った.病理で血管腔類似の間隙と間質増生,CD34陽性よりPASHと診断した.症例2:30歳,女性.左乳房に2.5cm大腫瘤を触知.USで小管腔様の像を認めた.針生検で間質増生と偽血管腔を認め,免疫染色でPASHと診断した上で手術を行い,切除標本の病理診断でPASHと確定した.PASHは正常との差異が不明瞭な過形成疾患で診断が難しい.稀だが急速増大例もある.腫瘤形成するPASHは少ないが,乳腺手術の標本検討では非形成の偽血管腫様過形成は23%と多い.PASHの疾患概念を念頭に良性診断に当たることが肝要と思われた.

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