2022 年 83 巻 3 号 p. 525-531
結腸癌の外腸骨リンパ節転移は稀である.今回われわれは,虫垂癌に対して腹腔鏡下回盲部切除後に孤立性の右外腸骨リンパ節転移を認め,腹腔鏡下に安全に切除しえた症例を経験したため報告する.症例は83歳,男性.既往に腹腔鏡下右鼠径ヘルニア修復術歴(TAPP)があった.虫垂癌の上行結腸浸潤に対して腹腔鏡下回盲部切除術を行い,pT4bN1M0 Stage IIIc R0 CurAであった.術後3カ月に腫瘍マーカーの上昇を認め,CTで右外腸骨動静脈周囲に17mm大の腫瘤を認めた.他転移を認めず,孤立性リンパ節転移と診断し,切除の方針とした.手術は腹腔鏡で行いヘルニアメッシュを合併切除する形で腫瘍を摘出した.臨床病理所見から虫垂癌のリンパ節転移と考えられた.術後5カ月で再発なく生存中である.右側大腸癌から右外腸骨リンパ節転移に関する報告は存在し,外科的切除の有用性が示唆されている.文献的考察を交えて報告する.