2022 年 83 巻 3 号 p. 532-536
症例は78歳,男性.上行結腸癌(T3N0M0,Stage IIa)に対して腹腔鏡下右半結腸切除術を施行.術後14日目に自宅退院.退院後1週間目に自宅にてマグロの刺身を喫食し,その後より水様便と経口摂取困難が認められた.外来受診時に著名な脱水所見とCTにて急性腸炎疑う所見が認められたため,緊急入院の上で補液加療を開始.入院時に提出した便培養にてAeromonas caviaeが検出され,同菌による細菌性腸炎と診断.入院後は全身状態の改善を認め,15日目に自宅退院.結腸癌術後に発症する腸炎としては,C. Difficileによる偽膜性腸炎や術後虚血性腸炎によるものが多く,細菌性腸炎の報告は少ない.Aeromonas属は食中毒の原因菌として知られているが,術後患者における腸炎の原因としての文献的報告は少なく,本症例は稀な経過と考えられる.