日本臨床外科学会雑誌
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症例
EVLデバイスで内視鏡的に閉鎖したS状結腸癌術後難治性瘻孔の1例
高橋 達也黒田 雅利濱崎 友洋三原 大樹難波 和也池田 英二井上 雅文
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2022 年 83 巻 3 号 p. 537-541

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抄録

症例は80歳の女性で,リベド血管炎による下腿潰瘍に対してプレドニゾロンを内服中であった.結腸内異物の治療の際にS状結腸癌を診断し,腹腔鏡下S状結腸切除を行った.術後6日目に手術操作に起因する腹腔内膿瘍を認めたため,CTガイド下ドレナージを施行した.炎症所見は速やかに改善したが横行結腸に難治性瘻孔を認めたため,術後21日目に下部消化管内視鏡を施行し瘻孔を確認,上部用のスコープに交換しEVLデバイスによる瘻孔閉鎖術を行った.経過は良好で,術後28日目に退院した.消化管術後の難治性瘻孔に対する内視鏡的瘻孔閉鎖術は治療期間を早められる可能性があり,内視鏡が安全に施行できる状態なら有用な治療法の一つである.

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