日本臨床外科学会雑誌
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症例
悪性リンパ腫治療中に発症したサイトメガロウイルス小腸炎穿孔の1例
山本 一博竹花 卓夫河合 俊輔遠藤 秀俊塩澤 哲
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2022 年 83 巻 4 号 p. 685-690

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抄録

悪性リンパ腫の化学療法中に穿孔したサイトメガロウイルス(以下,CMV)小腸炎の1例を経験した.症例は67歳,男性.T細胞リンパ腫にて化学療法が導入されたところ,食思不振や腹部膨満といった消化器症状を呈するようになった.上部消化管内視鏡検査では原因を特定できず,徐々に増悪し,穿孔性腹膜炎をきたして当科へ紹介となった.緊急手術にて空腸穿孔を認め,空腸切除を行った.切除標本にて輪状潰瘍と潰瘍底穿通を認め,組織学的に潰瘍部分にCMV抗原陽性細胞を認めた.CMVアンチゲネミアも陽性であり,CMV腸炎の穿孔と診断した.抗ウイルス療法を開始し,軽快した.様々な背景疾患においてCMV小腸炎穿孔の報告は散見されるが,その診断は必ずしも容易ではなく,疑って積極的に診断をつけにいく必要がある.原因不明の小腸穿孔を見た場合,CMV小腸炎を鑑別に挙げておくことが重要と考えられた.

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