2022 年 83 巻 4 号 p. 727-732
症例は69歳の男性.便潜血陽性の精査目的に当院に紹介となった.大腸内視鏡検査で盲腸部に40mm大の1型腫瘍を認め,生検で腺癌の診断であった.造影CTでは,盲腸の腫瘤が上行結腸内へ重積している所見を認めた.盲腸癌による腸重積の疑いで,腹腔鏡下回盲部切除術,D3リンパ節郭清を施行した.切除標本では腫瘍は虫垂先端に位置し,虫垂が盲腸内に完全に翻転しており,完全型虫垂重積をきたしていた.病理診断は固有筋層を越えて浸潤する進行虫垂癌であった.
虫垂癌および虫垂重積はいずれも遭遇頻度の少ない疾患であり,これらの併発例の報告は僅かである.非常に稀な進行虫垂癌による完全型虫垂重積の1例を経験したので,文献的考察を踏まえて報告する.