2022 年 83 巻 4 号 p. 780-784
症例は72歳,女性.鼠径部粉瘤の精査の際に,腹部CTを施行したところ後腹膜,仙骨前面に腫瘤を指摘されたため,当科受診をした.腹部CTで骨盤内に66mm,48mm,10mm大の腫瘤性病変を認めた.遠隔転移を認めなかったが,多発性腫瘤であり悪性度が高いと判断し,後腹膜脂肪肉腫の疑いとして開腹腫瘤摘出術を施行した.病理診断の結果は副腎外骨髄脂肪腫であり,仙骨前面骨髄脂肪腫と診断した.術後4年7カ月現在,無再発生存中である.多発性の副腎外骨髄脂肪腫は本邦では報告例はない.今回,われわれは稀な症例を経験したので報告する.