日本臨床外科学会雑誌
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症例
S状結腸癌手術を契機に診断された多発性直腸NETの1例
瀬尾 雄樹西 雄介杉浦 清昭岸田 憲弘戸倉 英之高橋 孝行清水 和彦
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キーワード: 直腸NET, 多発
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2022 年 83 巻 5 号 p. 913-918

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抄録

症例は69歳,男性.S状結腸癌に対して腹腔鏡下S状結腸切除術,D3リンパ節郭清を施行した.その切除検体の病理組織検査の結果,253番のリンパ節に少数の異型細胞を認め,免疫染色でneuroendocrine tumor(以下,NET)の転移と診断された.そのため,NETの原発腫瘍検索目的に大腸内視鏡検査を施行したところ,S状結腸切除後の吻合部よりも肛門側に5mm大の粘膜下隆起を認め,組織検査でNETと診断された.CTでは明らかな遠隔転移の所見を認めず,直腸NETの根治切除目的に腹腔鏡下超低位前方切除術を施行した.病理組織検査の結果,8mm以下の粘膜下腫瘍を23個認め,免疫染色ではクロモグラニン,シナプトフィジンがいずれも陽性であり,多中心性のNET(G2)と診断した.また,所属リンパ節は15個中11個がNETの転移陽性であった.術後3年無再発にて外来で経過観察中である.

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© 2022 日本臨床外科学会
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