日本臨床外科学会雑誌
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症例
一期的に虫垂切除とTAPPで治療したAmyand's herniaの1例
川上 拓哉橋本 和晃丸山 祐一郎冨﨑 真一井原 司
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2022 年 83 巻 5 号 p. 957-962

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抄録

症例は51歳,男性.2020年10月,右鼠径部膨隆と疼痛で近医を受診し,右鼠径ヘルニアの疑いで当院へ紹介となった.当院でのCTでは右外鼠径ヘルニアを認め,虫垂がヘルニア嚢内に脱出しており,Amyand's herniaと診断された.手術は全身麻酔下に仰臥位にて腹腔鏡下に虫垂切除とtrans-abdominal pre-peritoneal repair;TAPPを一期的に施行した.術後半年経過しているが,合併症やヘルニア再発なく経過している.

本邦でのAmyand's herniaのヘルニア修復法は9割以上が鼠径切開法であるが,近年では腹腔鏡アプローチで先行して腹腔内観察を行い,虫垂,ヘルニアの処置を決定するとの報告も見られる.現在までに腹腔鏡下に虫垂切除とTAPPによるヘルニア修復を同時に行った症例は,自験例を除いて本邦で1例,国外で1例のみであった.今回われわれは,Amyand's herniaに対して腹腔鏡下虫垂切除とTAPPを同時に施行し良好な結果を得た.このような報告例は少なく,若干の文献的考察を加えて報告する.

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