順天堂醫事雑誌
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特集 教授定年退職記念講演
セメントレス人工股関節-Lord式を中心に-
一青 勝雄
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2013 年 59 巻 3 号 p. 232-235

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抄録

私と人工股関節の出会いは1977年フランスに留学しパリのl'APAS病院でLord教授に出会いLord式セメントレス人工股関節手術を学んだのがはじめである. Lord式セメントレス人工股関節はネジ込み式ringとビーズ状表面加工したstemからなり, 1975年より臨床使用されるようになった. フランスから帰国後1979年より使用開始し277関節に行った. 20年生存率は臼蓋コンポーネントで55.1%であった. ステムは, その形状からbeaded-coated stemとslit-surface stemに分けて検討し, 20年生存率はそれぞれ92.2%, 27.3%で有意にbeaded-coated stemの生存率が良好であった. よって, 初期Lord式ステムであるbeaded-coated stemの形状は, セメントレスステムとして, stress shieldingの問題はあったが有用であると考えられた. しかしながら, ネジ込式臼蓋コンポーネントおよびslit-surface stemは, loosening (ゆるみ) してくる症例が多く今後も注意が必要である.

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