2022 年 83 巻 7 号 p. 1273-1276
症例は61歳,男性.検診異常で受診となった.上部消化管内視鏡検査を行い,胃下部小彎に0-IIc病変を認め,胃癌と診断された.
CTで遠隔転移やリンパ節腫大は認めなかったが,総肝動脈が存在せず,腹腔動脈から分岐した左胃動脈から左肝動脈が分岐しており,さらに右肝動脈が上腸間膜動脈から分岐していた.Adachi VI型28群の胃癌cStage Iと診断し,腹腔鏡下幽門側胃切除術,D1+リンパ節郭清を行った.
術中,左肝動脈の末梢側と左胃動脈の根部を確保した後に,郭清組織を同動脈に沿って観音開きにする形で行った.左肝動脈を温存して左胃動脈を処理した.まれな血管破格を伴う胃癌に対して,腹腔鏡下で手術を行ったので報告する.