2022 年 83 巻 7 号 p. 1325-1330
症例は54歳,男性.腹痛を主訴に近医を受診し,門脈気腫症の診断.α-グルコシダーゼ阻害薬が原因と考えられ,またバイタルは保たれており臨床症状も軽度であったため,同薬剤の中止と抗菌薬投与による保存的加療が選択された.門脈気腫症は速やかに改善したが,Clostridioides difficile腸炎(以下CD腸炎)を発症.その後,巨大結腸症を発症し手術も考慮されたため当科に転院した.転院後,炎症や潰瘍は改善が見られたが,進行性の横行結腸狭窄を認め,完全閉塞も危惧されたため,結腸亜全摘を施行した.術後経過は問題なく,術後18日目に退院となり,現在,術後3年3カ月経過したが,狭窄の再発なく経過している.病理組織学的検査から感染性腸炎による狭窄と診断し,その原因としてCD腸炎が強く疑われた.CD腸炎の経過中には腸管狭窄も生じ得ることを念頭に置く必要がある.