日本臨床外科学会雑誌
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症例
凝固因子補充が有効だった血友病A併存外傷性S状結腸間膜損傷の1例
緒方 諒仁久留宮 康浩水野 敬輔世古口 英菅原 元井上 昌也平賀 潤二
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2022 年 83 巻 7 号 p. 1337-1341

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抄録

症例は51歳,男性.先天性血友病Aに対し,第VIII因子製剤を週2回自己注射していた.車同士の交通事故により当院に救急搬送された.造影CTでS状結腸間膜周囲に造影剤の血管外漏出と大量の腹水を認め,外傷性S状結腸間膜損傷による腹腔内出血を疑い,緊急開腹手術を施行した.動脈性出血を伴うS状結腸間膜損傷を縫合止血し,S状結腸の非全層性損傷を3箇所修復して下行結腸に人工肛門を造設した.術中は院内に第VIII因子製剤が無く,凝固因子補充のために新鮮凍結血漿製剤を16単位,フィブリノゲン製剤を2g投与した.術後はガイドラインに従い,第VIII因子製剤を投与した.術後第10病日に人工呼吸器を離脱し,術後第30病日に転院となった.血友病Aを合併した外傷性S状結腸間膜損傷に対し,第VIII因子製剤が院内に無く,新鮮凍結血漿製剤とフィブリノゲン製剤を投与して緊急開腹手術を施行し救命しえた1症例を経験したので報告する.

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