日本臨床外科学会雑誌
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原著
BRCA1/2遺伝学的検査保険適用拡大後の検査施行症例の検討と今後の課題
成井 理加垂野 香苗明石 定子中村 清吾
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2022 年 83 巻 8 号 p. 1381-1392

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抄録

目的:2020年4月よりBRCA1/2遺伝学的検査の保険適用が遺伝性乳癌卵巣癌症候群(HBOC)診断にも拡大された.その検査対象要件の妥当性を検討する.方法:HBOC診断目的にBRCA1/2遺伝学的検査を施行した全乳癌を対象に,HBOC診療の手引きに記載の拾い上げ項目別検査数,病的バリアント保持率(以下保持率)を算出した.結果:検査数は保険収載前10年で600例,収載後の2020年は126件と大幅に増加した.いずれかの拾い上げ項目に該当する症例での保持率は13%であった.項目別保持率は60歳以下のトリプルネガティブ乳癌19.3%,2個以上の原発乳癌18.5%,45歳以下16.3%,第3度近親者内に乳癌または卵巣癌の家族歴あり15.4%であり,3項目該当症例では保持率70%と高率であった.結論:拾い上げ項目に該当した際の保持率は高く,検査の情報提供が必要である.検査数および病的バリアント保持者の増加に伴い対側リスク低減乳房切除術や未発症病的バリアント保持者へのフォローアップが課題と考えられる.

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