2022 年 83 巻 8 号 p. 1422-1426
横隔膜上食道憩室は稀な疾患であり,食道運動障害や逆流症状を伴う場合は手術適応となる,今回,われわれは食道憩室穿孔・急性縦隔炎を発症し,ドレナージ術後に二期的な切除再建手術で良好な経過を得た症例を経験した.
症例は68歳,男性.つかえ感を主訴に受診し,横隔膜上食道憩室を認め手術を予定していたが,自覚症状が消失したため本人の希望で経過観察としていた.経過中に食道憩室穿孔,急性縦隔炎を発症したため,緊急で腹腔鏡下経裂孔的縦隔ドレナージ術を施行した.縦隔炎改善後に胸腔鏡下食道亜全摘術を施行し,術後縫合不全をきたしたものの保存的に軽快し,術後35日目に退院とした.
横隔膜上食道憩室は逆流などの症状を認めるが,憩室の拡大に伴い症状が自然軽快することがあり,穿孔の高リスクとなる可能性がある.憩室穿孔による急性縦隔炎を伴う食道憩室穿孔例には二期的手術が有効であった.