2022 年 83 巻 8 号 p. 1417-1421
68歳,女性.8年前から緩徐に増大する右乳房腫瘤を認め,精査目的に外来を受診した.右乳房に17cm大の腫瘤を認め,magnetic resonance imaging (MRI)では多くが脂肪信号を示す中に8cm大の腫瘤状の充実部を認めた.腫瘤は大胸筋との間にbeak signを認め,胸壁由来のものと考えられた.充実部の組織診では非上皮性悪性腫瘍が考えられ,免疫染色にてMDM2・CDK4は共に陽性であった.遠隔転移は認めず胸壁原発脱分化型脂肪肉腫の診断となり,大胸筋・小胸筋合併右乳房切除術を施行した.病理学的検査では腫瘍は17cm大の黄色脂肪組織様腫瘍内に7cm大の灰白色の充実性腫瘤を認め,大胸筋に連続しており,脱分化型脂肪肉腫と診断した.完全切除後20カ月経過するが再発徴候は認めない.