日本臨床外科学会雑誌
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症例
十二指腸壊死をきたした非閉塞性腸管虚血症の1例
岩部 純近森 文夫溝渕 海大西 一久谷田 信行
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2022 年 83 巻 8 号 p. 1458-1463

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抄録

症例は67歳,女性.慢性腎不全に対し維持透析中であったが,吐血・意識障害を認め救急搬送された.代謝性アシドーシスを伴う非閉塞性腸管虚血症(NOMI)と診断し,緊急手術を行った.小腸はほぼ全長に渡り虚血に陥っており,まずopen abdomen管理とした.翌日,second lookで小腸に加え十二指腸・上行結腸・横行結腸も壊死が及んでおり,十二指腸~空腸・空腸・回腸~上行結腸・横行結腸の4箇所を切除し外瘻化した.術後2日目に抜管したが,膵液漏出が著しく14日目に再々手術を施行した.十二指腸の壊死が進行しており,Tチューブを挿入し胃壁と腹壁を縫合し,完全外瘻化した.完全静脈栄養管理で,術後91日目に維持透析のため転院となったが,全身状態が悪化し術後141日目に死亡した.NOMIは小腸に非連続に虚血を呈する疾患であるが,壊死が十二指腸まで及ぶ報告は稀で予後も不良である.広範囲壊死腸管切除と残存腸管の完全外瘻化により在院死を回避しえた重症NOMIの1例を経験したので報告する.

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