日本臨床外科学会雑誌
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臨床経験
C-tubeを用いた膵胆管合流異常と高位合流の病態把握
沼本 諒鱒渕 真介河合 英井上 仁木下 隆林 道廣
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キーワード: 膵胆管合流異常
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2022 年 83 巻 9 号 p. 1559-1564

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抄録

当院で施行した腹腔鏡下胆嚢摘出術488例の内,C-tubeを留置した271例に対し,術後胆汁アミラーゼ値の測定と胆道造影検査を実施し,膵管・胆管の合流形態異常と胆汁アミラーゼ値の関連性を検討した.膵管が常時描出された合流異常症例4例は全例とも40,000IU/L以上の値であり,膵管が間歇的に描出される高位合流例は中央値9,423IU/L[7-205,900]であった.通常例は中央値10IU/L[1-399,600]で,この結果より胆汁アミラーゼ値の合流異常・高位合流例と通常例の鑑別のためのcut offの検討を行うと,ROC曲線下面積が最大になるアミラーゼ値は6,698IU/Lであった(ROC曲線下面積=0.904).これをもとに胆汁アミラーゼの臨床的cut off値を6,600IU/L と設定し,このcut off値で検討すると感度85.7%,特異度94.2%で合流異常もしくは高位合流が存在する結果となった.高位合流は合流異常と比較すると胆道癌の発生リスクは低いことは知られているが,その明確な診断基準や治療方針は確立されておらず,今後も症例を積み重ね検討していく必要がある.

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