2022 年 83 巻 9 号 p. 1644-1650
症例は52歳,男性.1年前より下腹部痛を自覚し,増悪したため前医を受診した.血液・尿検査では尿潜血を認めるのみで,貧血や腫瘍マーカーの上昇は認めなかった.各種画像検査にて後腹膜に75×62mmの腫瘤を認めた.腫瘤は左総腸骨動脈に接し,左尿管を圧排し水腎症をきたしていた.リンパ節転移や遠隔転移は認めなかった.左尿管ステント留置後に当院へ紹介され腫瘍摘出術を行った.病理検査では多形型横紋筋肉腫の診断であった.術後3年目に局所再発を認め,腫瘍摘出術と術後放射線治療を行った.初回手術から6年目の現在,再々発は認めていない.成人発症多形型横紋筋肉腫の治療法は確立されておらず,後腹膜原発は稀である.文献的考察を加え報告する.