2023 年 84 巻 1 号 p. 96-101
症例は31歳の男性.前日からの右下腹部痛,嘔吐があり受診.血液検査で炎症反応高値を認め,CTで骨盤内に腹水,虫垂根部に糞石を伴う虫垂腫大を認め,急性虫垂炎の診断で抗菌薬治療目的に入院となった.治療経過中に抗菌薬抵抗性の骨盤内膿瘍を形成し,第21病日にEUSガイド下経直腸的ドレナージを施行した.その後炎症所見は改善し,第30病日に退院した.4カ月後に待機的腹腔鏡下虫垂切除術を施行し,合併症なく退院した.今回われわれは虫垂炎に起因する骨盤内膿瘍に対して,EUSガイド下経直腸的ドレナージを施行し,後日待機的に腹腔鏡下虫垂切除術を安全に施行しえた1例を経験したため報告する.