2023 年 84 巻 2 号 p. 246-250
背景:乳房温存術後の整容性評価法は,乳房の左右差を客観的に評価するため,患者の主観は評価の対象外となっており,患者満足度を下げている可能性がある.
目的:温存術において患者が何を重視しているか調査する.
対象と方法:当院通院中の温存術後患者を対象に,日本乳癌学会沢井班の評価法での各項目をどの程度重視するか,手術前後の下着の状況,術後乳房の症状の有無,創の位置や乳房の形で重視する点,満足度について,アンケート調査を行った.
結果:沢井班による評価法の各項目はあまり重視されず,術後はブラジャーの着用者数が減少していた.術前後で下着を買い替えた者が52.9%,術後乳房の有症状者は41.2%だった.創の位置や乳房の形は「痛みや違和感がなければこだわらない」がそれぞれ54.9%,58.8%だった.術後の乳房に対する満足度は62.7%が満足,やや満足と回答していた.
結論:患者満足度を上げるには,患者が見た目だけでなく何を重視するか聴取し,創の位置や乳房形成の方法を術前に話し合うことが重要と考える.