日本臨床外科学会雑誌
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症例
緊急手術・保存的治療と異なる方針で治療したIII b型外傷性膵損傷の2例
杭瀬 崇三原 大樹濱﨑 友洋秋元 悠原田 亮山野 寿久
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2023 年 84 巻 2 号 p. 326-332

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抄録

症例1は22歳の男性で,水上バイクの追突事故時にハンドルで心窩部を強打し,腹痛を主訴に当院を受診した.CTで外傷性膵損傷と診断し,緊急内視鏡的逆行性膵管造影(endoscopic retrograde pancreatography;以下,ERPと略記)では主膵管は完全断裂し尾側膵管は造影されず,緊急手術(脾温存膵体尾部切除術)を行った.術後8日目に軽快退院した.症例2は12歳の男児で,ハンドボール中に相手選手の肘で左側腹部を強打し,腹痛を主訴に当院を受診した.CTで外傷性膵損傷と診断し,緊急ERPでは主膵管の不完全断裂を認めたが尾側膵管へカニュレーションが可能であり,膵管ドレナージによる保存的治療で第15病日に軽快退院した.IIIb型外傷性膵損傷に対し膵管ドレナージにより手術を回避できる症例が存在するが,確立した適応基準はない.文献的考察を加え治療戦略について考察する.

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